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2024年06月1日ブログ
6月16日が「和菓子の日」になった起源は、疫病が蔓延していた平安時代の848(承和15・嘉祥元)年のこの日に、仁明天皇がご神託を受けて16個の菓子や餅を神前へ供えて厄除けや招福を祈願したことにちなみます。
この16個のお菓子を神前にお供えする風習は「嘉祥」という名称で少しずつ形を変えながら江戸時代まで受け継がれ、16文で16個のお餅やお菓子を買う「嘉祥食い」などの習慣が広まりました。
ところが明治に入って洋菓子が登場すると、和菓子人気は徐々に衰えていきます。そこで“和菓子の美味しさをもっと知ってもらいたい”という思いから、1979(昭和54)年に全国和菓子協会によって「和菓子の日」が制定されたのです。
現在では、四季折々を感じられる見た目の美しさや、洋菓子に比べてカロリーが低くヘルシーなことなどから、再び和菓子の人気が高まっており、海外の方にもファンが多くなっています。
一方で、正しい和菓子の食べ方を知らない…という人も少なくありません。お茶の席やお呼ばれの際に困らないためにも、和菓子のマナーをおさらいしてみましょう。和菓子を頂くにあたって、覚えておきたいのが「黒文字」と「懐紙」の使い方です。
お茶席などで和菓子が出される時、小さな木のナイフのようなものが添えられていると思います。これが「黒文字」です。黒文字という木を使っていたことに由来していますが、ケーキを食べる際のフォークのように使います。黒文字が添えられていない場合は、手で持って頂きます。
「懐紙」はお茶の席に欠かせないアイテムで、和菓子を載せてお皿の代わりに使います。また、お菓子を頂いた後に口元や黒文字を拭いたり、お茶を頂いた後に口元や茶碗の縁を拭うのにも懐紙を使います。出されたお菓子などを持ち帰る場合も、懐紙に包みます。
和菓子の作法に慣れてきたら、お抹茶や和菓子を楽しめるお店へ出向いてみてはいかがでしょう。和菓子の奥深い魅力や、日本に生まれた幸せを感じながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてください。