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2011年10月3日ブログ

もうひとつの名月・十三夜

旧暦8月15日の「十五夜」と同様に、日本では古来旧暦9月13日にも「十三夜」の月見を行ってきました。今年は10月9日が十三夜にあたります。十五夜を「中秋の名月」と呼ぶのに対し、十三夜は「後の月」(のちのつき)・「名残り月」(なごりづき)ともいい、「中秋の名月」に次いで美しい月といわれ、もうひとつの月見とされています。夏の名残のある十五夜より、秋の十三夜は空気も澄み、晴れることが多いようで、「十三夜に曇りなし」という言葉もあります。

十五夜はもともと中国で行われていた行事が日本に伝来したものですが、十三夜の月見は日本独特の風習です。ともに、もとは農作物の収穫を感謝する行事で、十五夜の「芋名月」に対して、十三夜は「豆名月」や「栗名月」といいます。十五夜の月見をして十三夜の月見をしないのは「片月見」といって忌まれましたが、その理由は定かではありません。ただ、芋も豆も栗も大切な食糧だったため、十五夜と十三夜の両方を祝ってはじめて収穫祭として成り立つからという説があります。

さて、お月見にはススキがつきものですが、何故だかご存知でしょうか? ススキは、切り口が鋭いことから魔除けの力があるという言い伝えがあるからです。そのため、お月見で供えたススキはすぐに捨てたりせず、家の軒先に吊るしたり、庭や門、水田に差す風習があります。

ところで、昔の人は、満ちては欠け、欠けては満ちる月の姿に魅せられて、風情のある名前を付けました。その一部をご紹介します。月齢15日目の満月の後は日ごとに月の出が50分ほど遅くなるので、月を待つ切ない気持ちが込められています。16日目:十六夜(いざよい)月が出るのをいざよって(ためらって)いる、17日目:立待月(たちまちづき)立って待っていれば月が出る、18日目:居待月(いまちづき)月が出るまで座って待つ、19日目:寝待月(ねまちづき)月の出が遅いので寝て待つ、20日目:更待月(ふけまちづき)夜も更けてから月が上ってくる…等々。また、春の朧月(おぼろづき)、冬の寒月(かんげつ)、十五夜が曇って見えない無月(むげつ)、青々と輝く青月(せいげつ)、夜明けに残る残月(ざんげつ)など、季節や天候、時間を表す名前もあります。なんだかロマンチックですね。

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