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2014年03月1日ブログ

お水取り

東大寺二月堂の『修二会(しゅにえ)』は、関西に春の訪れを告げる行事として知られ、『お水取り』『お松明』という名で親しまれています。この修二会は、752(天平勝宝4)年に東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟・実忠和尚(じっちゅうかしょう)によって始められたもので、以来一度も途絶えることなく行われ、今年で1263回目となります。
修二会の法要は、正しくは「十一面悔過(じゅういちめんけか)」といい、十一面観世音菩薩を本尊とし、「天下泰平」「五穀豊穣」「万民快楽(ばんみんけらく)」などを願って祈りを捧げ、人々に代わって懺悔の行を勤めるものです。良弁僧正の命日である12月16日の朝、翌年の修二会を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)という11名の僧侶が発表されます。年が明けて2月20日から別火(べっか)と呼ばれる前行が始まり、翌月の本行に備えます。そして3月1日から14日までの二週間の間、修二会の本行が勤められます。前行と本行を合わせれば、約1ヶ月に及ぶ大きな法会となります。本行は、昔は旧暦の2月1日から行われていたため、二月に修する法会という意味で「修二会」と呼ばれるようになり、二月堂の名称もこれに由来しています。
3月12日の深夜には、若狭井(わかさい)という井戸から本尊にお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる行事が行われることから「お水取り」と呼ばれるようになりました。また「お松明」の名は、練行衆が二月堂に上がる際に足元を照らす大松明で先導されることに由来します。松明は竹の軸に杉の葉をさして作られ、その火の粉を浴びれば無病息災のご利益があり、落ちた杉の葉は皆が競って拾います。
二月堂の本尊は「大観音」と「小観音」の二体がありますが、いずれも「絶対の秘仏」として、東大寺の僧侶ですら、その姿を見ることはできないそうです。なんとも神秘的ですね。

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