madecom times
2010年11月1日ブログ
永遠に秋なんか来ないんじゃないかと思われた猛暑も過ぎ去り、今年も紅葉の季節が近づいてきましたが、今回は『もみじのお菓子』の話題です。
もみじのお菓子でまず思い浮かべるのは、広島の“もみじ饅頭”ですね。これは1906 年に厳島の和菓子職人・高津常助が「島内の名所・紅葉谷に相応しい菓子を」という依頼を受けて作った“紅葉形焼饅頭”が最初です。100 年以上を経て全国的に有名になった今ではバリエーションも増え、皮にお餅を使った“生もみじ”や“アイスもみじ”、“揚げもみじ”というのもあるそうです。
「揚げる」と言えば、大阪随一の紅葉の名所・箕面の“もみじの天ぷら”があります。
1年以上も塩漬けしたもみじの葉に、砂糖と胡麻が入ったほんのり甘い衣をつけて香ばしく揚げたもので、かりんとうのような食感です。関西の人なら誰でも一度は食べたことがあるのではないでしょうか?
こちらの歴史は古く、およそ1300 年前に箕面山で修行をしていた役の行者が、箕面の滝で紅葉したもみじの美しさに感動し、灯明の油(菜種油)で天ぷらを作って旅人に振舞ったのがはじまりとのことです。
愛知県の香嵐渓にもこれによく似た“もみじの衣揚げ”というお菓子があります。
1930年頃、香嵐渓のもみじを利用したお土産を作ろうと売店組合が立ち上げられ、試行錯誤の末にできたお菓子とのことですが、レシピは“もみじの天ぷら”とほぼ同じです。
紅葉狩りに出かけて食べ比べてみるのも楽しいかもしれませんね。