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2015年09月1日ブログ
お月見といえば、一般的には旧暦8月15日の『十五夜(中秋の名月)』のことをさします。今年の十五夜は、9月27日です。
旧暦では7月~9月を秋としており、その秋のちょうど真ん中の日、つまり8月15日を「中秋」と呼ぶのです。「仲秋」と書くこともありますが、7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋というので、仲秋の名月とは8月の名月ということになり、少し意味が異なります。
十五夜は必ずしも満月ではなく、今年は翌日の28日が満月となります。余談ですが、「八月十五日」と書いて「なかあき」と読む苗字もあるそうです。
お月見の風習は、平安時代に唐から伝わり、当初は貴族たちが月見の宴を催して楽しんでいましたが、やがて実りに感謝する行事として庶民にも広がっていきました。この頃収穫される芋をお供えすることから「芋名月」とも呼ばれます。
ところで、日本では月の模様を「うさぎが餅をついている」と言いますが、これには、仏教説話からきた次のような伝説があります。
『昔、天竺にウサギとキツネとサルがおりました。ある日、疲れ果てて食べ物を乞う老人に出会い、3匹は老人のために食べ物を集めます。サルは木に登って果実を、キツネはお墓からお供え物をとってきましたが、ウサギは何も持ってくることができなかったので、「私を食べてください」と言って火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げたのです。実は、その老人とは3匹の行いを試そうとした帝釈天で、そんなウサギを哀れんだ帝釈天が、月の中にウサギ甦らせて、皆の手本にしたのです。』
…なんだか悲しいお話ですね。
また、餅をついているのは、「月のウサギは杵を持って不老不死の薬をついている」という古代中国の神話からきています。これが日本に伝わり、満月を表す「望月(もちづき)」と結びついて「餅つき」に変化したということです。他にも、「老人のために餅つきをしている」、「うさぎが食べ物に困らないように」、「たくさんのお米が採れたことに感謝する」などの説もあるようです。