アーカイブ : 2014年 11月

『勤労感謝の日』と『新嘗祭』

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稲穂
『勤労感謝の日』(11月23日)は、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」祝日として昭和23(1948)年に制定されました。
戦前までは、この日は「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれる祭日でした。
昭和22(1947)年に皇室祭祀令が廃止されたため、祭日としての新嘗祭はなくなりましたが、日本の古くからの重要な祭儀として、現在も宮中のほか、伊勢神宮や各地の神社で毎年厳かに執り行われています。
「新嘗」とは、「その年に収穫された新しい穀物を食する」という意味です。新嘗祭は「しんじょうさい」ともいい、「豊葦原(とよあしはら)の瑞穂の国」(神意によって稲が豊かに実り、栄える国の意=日本の美称)の祭祀を司る最高責任者である天皇が、その年に獲れた新穀を天神地祇(てんしんちぎ=すべての神)に供えて、農作物の収穫に感謝するとともに、自らも初めて召し上がる儀式です。
数々の宮中恒例祭典の中でも最も重要なものとされており、23日の夕方から始まり翌日の未明まで行われます。
新嘗祭の起源は古く、「日本書紀」に皇極天皇元年(642年)11月16日(同月2回目の卯の日)に新嘗祭を執り行ったということが記述されており、以来、毎年11月の2回目の卯の日に行われてきました。
なお、新天皇が即位した最初の新嘗祭は特に「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれ、天皇の即位を天下に広く知らしめる大きな祭典となっています。
太陽暦が採用された明治5(1872)年の11月の2回目の卯の日が23日だったため、以降はこの日に固定されました。その後、戦後のGHQの占領政策によって、神道の祭礼である新嘗祭としてではなく、労働一般を尊びその成果に感謝する祝日としてこの日を祝うようになったのです。