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2015年08月1日ブログ

精霊馬

ご先祖様や亡くなった人たちが苦しむことなく成仏してくれるようにと、子孫が報恩の供養をする行事「お盆」。
現在は、関東の一部などを除いて、一般的には8月13日から16日までの4日間を指します。
お盆の行事は各地の風習や宗派によって様々ですが、お寺では「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という法要を執り行い、家庭ではお供えや提灯を飾って先祖の霊をお迎えします。
ご先祖様をお迎えするために設ける特別の祭壇を「精霊棚(しょうりょうだな)」または盆棚といいます。精霊棚には真菰を敷き、四隅に笹竹を立てます。これは結界を張るためということです。竹の上部にしめ縄を張って、提灯に似ているほおずきなどを吊るします。そしてここに、仏壇から出したお位牌、お供え物や故人の好物などを供えます。
お供え物の中でも一番の定番が『精霊馬』。ナスの牛やキュウリの馬のことですね。先祖の霊がこの世とあの世を行き来するための乗り物です。これには、来るときは馬に乗って少しでも早く、帰るときは牛に乗って少しでもゆっくりと、という願いが込められています。逆に、地域によっては、ご先祖様を丁寧に迎えるために迎え盆に牛を作り、早く帰ってもらうために送り盆に馬を作るという考え方もあるそうです。また、ご先祖様は馬に乗り、荷物を牛に乗せて帰って来られるという説もあります。
ナスとキュウリが使われるのは、旬のおいしい野菜をご先祖様にお供えする、という意味もあるんですね。そして、ご先祖様をお迎えするときは向きを仏壇側へ、お送りするときは外向きに置くのが一般的です。
送り盆が済んだ後の精霊馬は、昔は川や海に流していましたが、今はそれはできないので、土に埋めたり、塩で清めてから半紙などの白い紙に包んで捨てるのが良いと言われています。
昔ながらの、このような風習は是非これからも大切に受け継いでいきたいものですね。

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